「私が亡くなった後の事であるが、仏法が滅しようとする時、重罪を犯す者が多くなり、魔道が盛んになるであろう。」
魔類が僧侶の格好をして教団や仏教徒の中に入り込み、仏法を内から乱し破壊していくだろう。
魔僧は酒を飲み、肉をむさぼり食らい、生き物を殺して美食を追求する。
およそ慈悲心など全くなく、仏の弟子たる僧たち同士、お互いに憎んだり妬んだりする。
(中略)
作物という作物は実をつけなくなり、疫病が流行し、死んでいく者も多くなって人々は苦しむ。
税金は重くなって、道理に合わない税のかけ方をする。
悪人が海の砂の数より多くなり、善人は一人か二人になる。
世界が最後になる寸前には、日月が短く、人の寿命も段々と短くなって四十歳で白髪になる。
男子は淫乱にして、精も尽き若死にするようになり、長生きしても六十歳ぐらいであろう。
女子の寿命は八・九十歳、あるいは百歳となる。
(中略)
時に、大水がにわかに起こり、富める者も卑しい者も水中に漂い魚の餌食となるであろう。
(中略)
仏法が滅する時は、例えば油燈の灯が油のなくなる寸前、光が盛んになるのと同様である。
これ以上は、説いて聞かせることが出来ない。
「その後、数千万年たってから、弥勒菩薩が下ってきて仏となる筈である」
(中略)
「この経文はやがて僧侶によって隠されてしまうだろう。」

ーーーーーーーーーーーー ゴータマ・シッダールタ ーーーーーーーーーーーーーー