阪神大震災から24年となるのを前に、猛火に耐えて焼け残った防火壁「神戸の壁」のライトアップが12日、保存先の北淡震災記念公園(兵庫県淡路市)で始まった。
壁には両手を広げた市民団体のメンバーら24人の人影が鎮魂の十字架として映し出された。

メンバーらが式典を開いて犠牲者に黙とう。壁の歴史や経緯を説明するナレーションに合わせ、1人ずつ壁の前に立った。集まった人は浮かび上がった十字架に祈り、震災を忘れないと誓った。

壁は高さ約7メートル、幅約14メートルのコンクリート製。昭和初期に神戸市長田区の市場に建てられ、震災で猛火が襲っても倒れなかった。被害を伝える遺構として、2009年からは同公園に移設、展示されている。

参加した長田区の北野恵子さん(72)は「各地の地震のニュースを見るたび、人ごととは思えず涙が出る。これからも語り伝えなくては」と話した。

ライトアップは午後5時半〜10時、17日まで。〔共同〕

「神戸の壁」に十字の祈り 震災忘れぬ、光に誓い
2019年1月12日 19:50
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39975500S9A110C1000000/