日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が2月1日の午前0時に発効する。国内総生産(GDP)の合計で世界の約3割、貿易総額で約4割を占める世界最大級の自由貿易圏が誕生する。関税の撤廃などで貿易や投資が活発になり、日本のGDPを約5・2兆円押し上げると試算される。米中による貿易戦争が激しさを増す中、日欧は連携して保護主義的な動きの台頭に対抗する構えだ。

 日本側の関税撤廃率は品目ベースで約94%。欧州産のチーズやワインなどにかかる関税が撤廃や引き下げとなり、日本の消費者には恩恵となる。一方、安価な輸入品の増加で酪農をはじめとする農林水産業には打撃となる恐れがある。

 EU側の関税撤廃率は約99%。日本からの輸出は自動車への関税が発効から8年目に撤廃されるなど、企業にとっては商機が広がる。日本の雇用は約29万人増加する見込みだ。

 日欧はともに近く貿易交渉を控える米国を牽(けん)制(せい)する狙いもある。日欧間で関税が下がれば、米国産品の競争力が相対的に低下する。日本は米国に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への復帰を促す考えだ。

2019.1.30 20:32
https://www.sankei.com/economy/news/190130/ecn1901300032-n1.html

※関連ソース
日欧EPA 米中を意識 自由貿易圏拡大が日本の役割
https://www.sankei.com/economy/news/190130/ecn1901300036-n1.html