福岡県議会が2月定例会に提案して成立を目指す「県性暴力抑止条例(仮称)」案について、県弁護士会(上田英友会長)は7日、反対声明を発表した。条例案は18歳未満への性犯罪で服役した元受刑者が県内に住む場合、氏名や住所、前科などを県に届け出るよう義務づける内容で、同会は「前科情報はプライバシー性が高く、届け出義務は更生を妨げる」と批判している。

条例案は、届け出た人に再犯防止プログラムや治療の支援をし、正当な理由なく届け出をしなければ5万円以下の過料を科すとしている。同様の条例は大阪府(2012年施行)に次いで全国2例目で、21日の最終本会議に提案して採決する。

声明は「加害者の更生を考えるのであれば、加害者が抵抗なく自ら社会復帰への支援を求められる制度を調査研究すべき」だと指摘。条例案が県民の責務として性被害を傍観せず行動するよう定めた点も「危険を伴うことを法的に義務づけることは相当でない」としている。【平川昌範】

https://mainichi.jp/articles/20190207/k00/00m/040/163000c