和歌山に滞在中であるデンマークのフレディ・スヴェイネ駐日大使は7日、同国領フェロー諸島の町と「捕鯨」つながりで
昨年1月に姉妹都市提携を結んだ太地町を訪れ、三軒一高町長と意見交換をした。

 町役場での会談で、三軒町長はまず、水がなく農業を十分にできなかった住民が鯨を捕って暮らしてきた歴史を語り、
「生きんがため、鯨に挑んできた」と伝えた。大使は「人間はもともと狩猟民族。
それぞれの歴史を理解することが必要だ」と応じた。

 大使が「捕鯨批判への対処は」と尋ねると、町長は「世界で理解されるよう広報活動を積極的にしていく。
鯨の学術研究都市として世界から信頼、尊敬される町にする」と答えた。

 会談後、大使は太地漁港や古式捕鯨の遺産である燈明(とうみょう)崎などを見学。
報道陣の取材に「(姉妹都市を契機に)太地との間で広い交流が生まれれば」と期待を示した。
日本の国際捕鯨委員会脱退については「日本政府が、プラスマイナスの影響を考えたうえでの結論と思う」と語るにとどめた。

東孝司 2019年2月8日03時00分 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASM275D7XM27PXLB009.html