「地図をグルグル回してしまう」「自分がどこにいるのか分からない」「まあ、どうにかなるだろう」――。日本人の5人に2人が方向オンチと言われている。大学受験や就職活動などのここぞというときに、迷子になっては元も子もない。とはいえ、見知らぬ土地では右も左も分からない。まして、新宿や渋谷などの巨大ターミナル駅はダンジョン(迷宮)と化している。方向オンチは解消できるのか。方向オンチの改善方法を研究しているコンサルタントの北村壮一郎氏に解説してもらった。

大学受験が本番を迎えた2月、電車の中で参考書片手に緊張した面持ちの受験生を見かけます。3月になれば、新生活に胸躍らせる若者が路線図を見ながら、住まいを物色する姿を目にします。そして、4月には上京したてのフレッシュマンたちがスマートフォンを手に、不安そうに目的地を探す場面に出くわします。

 この時期、街はこうした“迷子予備軍”であふれています。地方から東京や大阪などの大都会に初めて訪れる若者にとって、似たような高層ビルに囲まれた街並みや、複雑に入り組んだ地下街は攻略の難しいダンジョンなのです。

 なぜ、人は方向オンチになるのでしょうか? 

 まだ解明されていないこの謎に立ち向かうべく、方向オンチを改善するメソッドの開発に着手してから、私は日本全国で様々な方向オンチの方たちにお会いしてきました。

 「目的の物件を案内するのに、途中で道に迷ってしまい、結局、お客様に地図を見てもらった」(不動産営業の男性)

 「自分が経営する店の場所が分からず、毎回、道案内のために社員を同行させている」(複数の店舗を経営する男性実業家)

 これらは、方向オンチについての、ウソのような本当のエピソードです。

 それにしても、社会的に地位のある立派な経営者が方向オンチとは、ちょっと意外な気がしませんか。

■そもそも方向オンチとは?

 方向オンチとは、地図を見ても目的地にたどり着くことが難しい方々を指します。地図と長年、格闘してきた人々です。周囲にこんな行動をする人はいませんか。

 ・地図をグルグルと回してしまう

 ・地図をそもそも活用できない

 ・知らない土地に行くと、地図を見てもどこにいるか全く見当がつかない

 方向オンチを巡っては、「女性に多い」とか「遺伝ではないか」などとも言われていますが、これらの説にきちんとした根拠はありません。

 日本自動車連盟(JAF)が会員を対象に行ったアンケート調査によると、自らを「方向音痴だと思う」と「その(方向音痴の)傾向がある」を合わせた割合は約40%に上ります。つまり、日本人の5人に2人が方向感覚に不安を感じているということです。

以下見出しのみ 全文はソース先で

■「自分の興味」で覚える

■曲がり角を制すれば、街を制す

■迷いやすい道を選ばない

■「なんとかなる」が危ない

■巨大駅で迷わない攻略方法
【攻略方法1】必要な情報だけを残していく
【攻略方法2】自分なりの移動ルールを決める

■方向オンチ改善は脳トレ

02/07 12:19 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20190206-OYT8T50097/
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