尾張徳川家ゆかりのひな人形やひな飾りを公開する特別展「尾張徳川家の雛(ひな)まつり」(中日新聞社など主催)が九日、名古屋市東区の徳川美術館で始まる。内覧会が八日にあり、関係者らが、会場を彩るみやびやかな人形たちに見入った。

 桃の節句(三月三日)に合わせて毎年開催する同館の伝統行事で、江戸時代後期のものを中心に展示。明治、大正、昭和と、尾張徳川家当主の夫人三代にわたり伝えられたひな段飾りは高さ二メートル、幅七メートルもある。

 江戸時代後期の十一代斉温(なりはる)に嫁いだ福君(さちぎみ)のひな人形は、当時の将軍家や公家の装束と同じ布地が用いられている。福君の婚礼調度を本物と同じ手法でミニチュア化したひな道具は、化粧道具や将棋盤といった遊戯具が精巧に作り込まれている。

 学芸員の加藤祥平さん(32)は「徳川御三家筆頭ならではの格式高いおひなさまを見てもらいたい」と話す。

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内覧会が開かれた「尾張徳川家の雛まつり」の会場=名古屋市東区の徳川美術館で
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