ロンドン(CNN) ロンドン動物園は10日までに、繁殖を願ってスマトラトラ2頭を同じ飼育場で初めて接触させた際、10日前に到着したばかりの雄トラが雌を攻撃し、殺したと報告した。

同動物園は声明で職員は衝撃を受けていると指摘。インドネシアのスマトラ島に生息するスマトラトラは絶滅が懸念されている種だけに野生動物保護団体なども失望を示した。

騒ぎは8日に起きたもので、同園に長く飼われている雌トラ「メラティ」を襲ったのはデンマークの動物園から1月29日に来た雄トラ「アシム」。2頭の組み合わせは欧州の絶滅危惧種動物救済計画の一環として決まっていた。

動物園によると、2頭は当初、隣り合わせの飼育場に入れられ、においをかがせたり探り合いなどをさせたりしていた。相性が合う兆候が見られたため初の直接接触に踏み切っていた。

接触の最初に2頭は想定していた反応を示したが、攻撃的となる場面に急変。飼育員らは騒音や警報装置など用いて2頭を離そうとしたが、アシムがメラティを既に圧倒していたという。

その後、アシムを別の場所に移動させた後、獣医がメラティを診断し、死んだのを確認した。ロンドン動物園の飼育員によると、アシムの到着前、同園は美男で雌には非常に優しい個体などと紹介していた。

世界自然保護基金はスマトラトラを絶滅種に近い動物と指定。野生の環境に生息するのは400頭以下と推測している。

2019.02.10 Sun posted at 14:38 JST CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35132536.html
https://www.cnn.co.jp/storage/2019/02/10/3a7eb223894eb9e8ecc209addd14a436/t/768/432/d/001-asim-tiger-london-zoo-gbr.jpg