エコノミストの犯罪―「失われた10年」を招いたのは誰か 単行本 – 2002/4
西部 邁
この十余年、日本の経済はエコノミストの分析と予測と提案により、休みなく改悪させられてきた。
だが、どのエコノミストもその結果に責任をとって沈黙しようとしない。
それどころか、事態の悪化に応じて、これまでとは両立しない政策を提案している。
彼らは政府の審議会や委員会に参加し、政策立案の現場にも関与してきたが、政策上の結果における失敗の責任をすべて政治家や官僚にのみあずけている。
彼らの政策提案で多くの人間が失業や倒産の憂き目に遭っていること、その提案は「無知の知」という知識人の作法を無視したうえで組み立てたものであることに何の痛痒も感じていないことを指して、著者は「犯罪」と呼ぶ。