米スポーツ用品大手ナイキが、スニーカーの主力ブランドの一つ「エアマックス270」のリコール(回収・無償修理)を迫られている。靴底にあるロゴのデザインがアラビア語で「アッラー(神)」を意味する言葉に似ているとして、顧客がインターネット上で回収を訴えた。

この顧客は「踏みつけられ、蹴られる上、どろや汚物で汚れるのが確実なナイキの『エアマックス270』に神の名を刻むのを容認するのは衝撃的だ」と指摘。「神を冒涜(ぼうとく)する、こうした不快で侮蔑的な靴とアッラーの言葉に似たデザインロゴを持つ全ての製品を世界中から直ちに回収するよう」求めた。

ナイキは声明でこのロゴについて、「エアマックスの商標を図案化したものだ」と説明。「他の意味や表現は意図していない」とした上で、「ナイキはあらゆる宗教を尊重しており、こうした懸念を真剣に受け止めている」と説明した。エアマックス270のリコールを求める同顧客の訴えに、1万6000人以上が署名した。同顧客は2万5000人の署名集めを目指している。

ナイキは1997年にも似たようなトラブルに見舞われた。ナイキは当時、一部スポーツ用シューズのロゴがアラビア語のアッラーの表記に似ているとして、在米イスラム系団体から抗議を受けた。同社はロゴは炎をデザインしたものだと説明し、一部製品ラインを回収した。(ブルームバーグ Thomas Kutty Abraham)

https://www.sankeibiz.jp/images/news/190211/mcb1902111004007-p1.jpg
https://www.sankeibiz.jp/macro/photos/190211/mcb1902111004007-p1.htm