自転車を盗んだと申告した男への捜査を怠ったとして、埼玉県警は8日、いずれも吉川署地域課の男性巡査部長(35)を停職3か月、男性巡査(28)を減給10分の1(3か月)の懲戒処分にしたと発表した。2人は同日付で辞職した。男は申告後、約50件の窃盗をしていたという。

 発表によると、男(40歳代)は昨年8月8日午前3時頃、2人が勤務していた三郷駅前交番(埼玉県三郷市)を訪れ、「千葉から来た。何日も食べていない」などと話し、自転車を盗んだことを申告。しかし、2人は事情聴取を行わず、千葉県松戸市までパトカーで連れて行き、500円を渡して交番に戻った。自転車は交番近くの路上に放置し、現在行方不明になっている。

 同年10月、県警が別の窃盗事件で男を逮捕し、発覚した。県警監察官室によると男は同年8月〜10月、吉川市や三郷市などで事務所から食料品を盗む窃盗事件51件などを起こしていたといい、常習累犯窃盗罪でさいたま地裁越谷支部から懲役3年4月の判決を受けている。

 巡査部長は「処理に時間を取られると思った」、巡査は「楽をしたいという思いがあった」などと話しているという。

2月11日13:12 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190208-OYT1T50301/