【広州=川上尚志】米調査会社IDCが11日発表した中国の2018年のスマートフォン(スマホ)出荷台数は、17年比10.5%減の3億9770万台だった。2年連続で前の年の実績を下回り、17年の4.9%減に比べ下げ幅は広がった。4億台の大台を下回るのは13年以来、5年ぶりだ。市場の飽和感が強まるなか、中国の景気減速やスマホの買い替えサイクルの長期化が響いた。

メーカー別では首位の華為技術(ファーウェイ)の出荷台数が15.5%増の1億500万台で、シェアは26.4%になり17年に比べ6ポイント伸びた。旗艦モデル「P20」シリーズの新機種などが好調だった。一方、5位の米アップルは11.7%減の3630万台。割高感が敬遠され、シェアは9.1%と17年から0.2ポイント減った。

シェア2位以下はOPPO(オッポ)、vivo(ビボ)、小米(シャオミ)と中国メーカーが続き、17年と比べ順位に変動はなかった。ただファーウェイを含む上位4社のシェア合計は78.4%となり、17年の66.3%から10ポイント強上昇。大手中国メーカーによる寡占が一段と強まった。

19年はファーウェイなどが次世代通信規格「5G」に対応するスマホの発売を予定し、一定の需要が発生すると見込まれている。ただ5Gに対応する通信網は整備途上で、IDCは5G対応スマホについて「19年中はごく小規模な試験運用の段階にとどまる」と指摘。その上で「飽和状態の市場の中、19年はメーカーにとって顧客の奪い合いがいっそう重要な課題になる」と分析している。

2019/2/11 19:06
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41143090R10C19A2FFE000/