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「昭和十五年に紀元二千六百年の盛大な祝典を行った日本は、翌年には無謀な太平洋戦争に突入した。
すなわち、架空な歴史――それは華やかではあるが――を信じた人たちは、また勝算なき戦争――
大義名分はりっぱであったが――を始めた人たちでもあったのである。もちろん私自身も旧陸軍軍人
の一人としてこれらのことには大いに責任がある。だからこそ、再び国民をあのような一大惨禍に陥
れないように努めることこそ、生き残った旧軍人としての私の、そしてまた今は学者としての責務だと
考えている」
(三笠宮崇仁親王)