マニラで逮捕のニュースサイト編集長、保釈 政府に批判集中
2019/02/14 9時間前
フィリピンで政権批判を重ねてきたニュースサイトの編集長が逮捕され、国際的な批判が高まった問題で、フィリピンの司法当局は14日、マリア・レッサ氏の保釈を認めて釈放した。
ニュースサイト「ラップラー」の最高経営責任者(CEO)を務めるレッサ氏は13日、国家捜査局(NBI)にラップラーの本社で逮捕された。元判事と実業家のつながりに関する7年前の記事を理由にした、「サイバー名誉毀損」が逮捕容疑。有罪となれば、禁錮12年の実刑判決を受ける可能性がある。
AFP通信によると、保釈金は10万ペソ(約21万円)。レッサ氏が脱税など様々な容疑について保釈金の支払いを余儀なくされるのは、これで6度目。
フィリピンの「サイバー名誉毀損罪」は、レッサ氏の問題の記事が掲載された4カ月後の2012年9月に施行され、批判も多い。
各国の報道の自由を監視する複数の団体は、ドゥテルテ政権が「ラップラー」の政権批判を封じ込めようとしていると批判している。国際人権団体アムネスティー・インターナショナルは、政権がジャーナリストは「執ように威圧し嫌がらせ」するために、法的圧力をかけ続けていると非難した。
ラッサ氏はベテラン記者で、2018年には政府の妨害を受けながらも権力監視を続けるジャーナリストとして、米誌タイムの「今年の人」の1人に選ばれた。
米CNNのマニラ支局長を長く務めた後、2012年の「ラップラー」の共同創設者となった。
13日の逮捕後には、「もはや見えないほど法の支配が壊されてしまったことにショックを受けている」とコメントしていた。
ラップラーはフィリピン国内でドゥテルテ大統領を公然を批判する数少ない報道機関。調査報道に定評があり、大統領の公の発言の信ぴょう性や、人的被害の多い政策の意義を問いただしてきた。
ラップラーは特に、ドゥテルテ大統領が推進してきた麻薬戦争に批判的な記事を多数発表してきた。フィリピン警察によると、ドゥテルテ氏が2016年に麻薬撲滅作戦を開始して以来、5000人以上の密売業者や麻薬利用者が殺されている。
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