国連の教育特使を務めるイギリスのブラウン元首相は、「難民の子どものうち、初等教育を受けられるのは20%にすぎない」として、学校に通えない子どもたちへの教育支援を国際社会に訴えました。

ブラウン元首相は、各国の政府に教育予算の拡充を促したり、教育分野での国連とのパートナーシップを提案したりする国連の特使を務めていて、19日に国連本部で記者会見を開きました。

ブラウン元首相は会見の冒頭、「難民の子どものうち、初等教育を受けられるのは20%にすぎず、誰からも見向きされない世代になりつつある」と述べて、難民の子どもたちが社会から顧みられず、教育の機会を奪われていると警鐘を鳴らしました。

さらに、シリアからの難民などが定員をはるかに超えて収容されているギリシャの「モリア・キャンプ」について触れ、「10歳足らずの2人の少年が自殺を試みた。10歳と言えば希望に胸を膨らませ、毎日をわくわくしながら迎える年なのに、絶望の中で死を選んでしまった」と述べ、難民キャンプでも教育を提供すべきだと主張しました。

そのうえでブラウン元首相は、「学校に通えない子どもが世界に2億6000万人もいることに気付くべきだ。各国は2030年までにすべての人が質の高い教育を受けられるようにするという目標に合意したのに、このままでは2億人の子が学校に行くことができず、全く受け入れられない」と述べて、さらなる教育支援を国際社会に訴えました。

2019年2月20日 11時40分
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