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http://www.nikkansports.com/general/news/201902200001099.html
白血病治療製剤の販売了承、オプジーボより高額化も
[2019年2月20日21時23分]

厚生労働省の専門部会は20日、一部の白血病を治療する
細胞製剤「キムリア」の製造販売を了承した。
3月にも正式承認となる見込み。

人工遺伝子を導入して患者の免疫細胞の攻撃力を高めた
「CAR−T細胞」を利用した国内初の治療法となる。
臨床試験(治験)で既存の治療法が効かない患者にも効果が得られたことから注目を集めており、
他のがんに応用する研究が世界的に活発になっている。

欧米では既に承認されているが、米国では1回の治療が
5千万円以上に設定され、高額な費用が問題となっている。
日本でも今後、価格が決定されるが、高額薬として知られる
がん治療薬「オプジーボ」よりも高くなる可能性がある。

CAR−T細胞はキメラ抗原受容体T細胞の略。患者の血液から免疫を担うT細胞を採取し、
さらに人工的に作った遺伝子を導入して作製する。
これを点滴などで患者に戻すことで治療する。
遺伝子をうまく設計することによって、特定のがん細胞にくっつきやすくしたり、攻撃力を高めたりできる。

キムリアは、製薬会社ノバルティスファーマ(東京)が製造販売を申請。
治療対象は、血液がんの「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」の25歳以下の患者と
「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の患者。
治療で使うCAR−T細胞の加工は、米国で行うが、神戸市で実施する計画もある。

日本の患者が参加した治験は、白血病で約8割、リンパ腫で約5割の患者に効果があった。
一方で過剰な免疫反応による発熱や筋肉痛などの副作用が多くの患者で出た。

この日の部会では国内初の遺伝子治療薬「コラテジェン」も5年間の期限付きで製造販売が了承された。
バイオ製薬会社アンジェス(大阪府)が申請し、血管が詰まり足などが壊死(えし)する
「慢性動脈閉塞(へいそく)症」の患者が対象。
HGFという遺伝子を、詰まった部分の周囲の筋肉で働かせ、新たな血管を作らせる。
(共同)