約120キロの金塊を密輸したとして、関税法違反(無許可輸入)などの罪に問われた韓国籍のチェ・チョル被告(48)の控訴審判決が20日、福岡高裁であった。野島秀夫裁判長は、懲役3年執行猶予5年とした一審・福岡地裁判決を破棄し、懲役2年6カ月、罰金200万円を言い渡した。金塊36個の没収も認めた。

 この日の判決は「組織が密輸を繰り返せる態勢を構築しており、一審判決の評価よりも強い悪質性がある」と指摘。チェ被告について「実行役グループの実務全般を統括する立場にあり、実刑の選択はやむを得ない」と判断した。

 金塊については、「被告が属する組織が金塊を密輸して換金し、その現金で金塊を買い付けて密輸を繰り返す循環構造があった」として、密輸組織のものと認定。「売却代金が誰の手に渡ったかは立証されていない」として、没収を認めなかった一審判決を「合理的な説明を欠く」と指摘した。

 弁護人によると、チェ被告は昨年8月の一審判決後に出国したという。(一條優太)

朝日新聞社
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