炭酸ガスの問題点は、それが地下の高温高圧化では、地殻、地層を構成している
岩石と化学反応を起こして、岩石に対して一種の風化作用を比較的短期間に
起こしてしまうことにあるようだ。要するに岩石がボロボロになって崩れて
砕けやすくなってしまう。そうなると、ずれ圧力が掛かっている地層や断層の
引っかかりで滑らずに止めているアスペリティというような箇所が化学反応に
よる風化作用によって圧力に耐えられない材料になってしまって、滑ってしまう。
つまり地震を頻発させることになってしまうのではないか。以下の論文を読まれたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Special Review 「二酸化炭素の無機化学的プロセスによる固定化」
著者:安江 任
所蔵:Japan of the Sciety of Inorganic Materials, Japan vol.9, pp.192-207(2002).
URL:<https://www.jstage.jst.go.jp/article/mukimate2000/9/299/9_299_192/_pdf>;
....
天然無機鉱物による二酸化炭素の固定化は有名なUrey反応による風化の促進にほかならない.
高温で形成され,イオン結合性が大きい鉱物ほどCO2の風化をうけやすい.

....
すなわち,CO2の地殻中への封入により鉱物の炭酸化は地殻中の高圧下によって
ゆっくりと進行する.
....
アメリカのエネルギー省のニューヨーク州首都にあるAlbony研究センター(ARC)は
鉱物の炭酸化によるCO2の固定化について検討を行っている
....
ARCはケイ酸マグネシウム鉱物(フォルステライト,蛇紋岩)と
水の懸濁液からマグネサイト(MgCO3)を製造するために
超臨界CO2状態下で反応させた42).
 CO2は炭酸(H2CO3)の形で水に溶解し,これはH+,HCO3-に解離する.
H+は鉱物と反応し,Mg2+を遊離し,重炭酸塩の形で反応する.
また,このプロセスの試験は天然鉱物の炭酸化反応の促進のために
粉砕を行っている.さらに,室温(22°C)および亜臨界CO2圧(7.4MPa以下)
では炭酸反応はきわめてゆっくりと進行するが,温度と圧力が上昇すると
反応はきわめて短時間で起こることを明らかにしている.
たとえば,(15)式の反応は24時間で純水を使用し温度185度C、117MPaで
反応率90%である。(式(15))
....
以下略
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー