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これか

◆透析中止の女性、死の前日に「撤回したいな」 SOSか、夫にスマホでメールも
毎日新聞2019年3月7日 05時01分(最終更新 3月7日 07時13分)
https://mainichi.jp/articles/20190307/k00/00m/040/004000c
(一部抜粋)

 「(死亡から)半年過ぎてもダメ。何とか気持ちの整理はつけたつもりだけど、
だいぶ引きずっている」。そう夫は明かす。同じ団地に住んでいた女性と知り合って
約30年。結婚後は3人の子どもを2人で育てた。女性が人工透析治療を始めてからは
医療機関への送り迎えなどで支えた。

昨年8月9日、病院から突然呼び出された。見せられたのは透析治療をやめる意思確認書。
いっぺんに力が抜け、受け入れるしかなかった。「透析に疲れちゃったのかな……」。
迷ったことは覚えているが、承諾した理由ははっきりしない。

死の前日(同15日)のことを悔やむ。夫によると、病室で女性は
「(透析中止を)撤回したいな」と生きる意欲を見せた。「私からも外科医に頼んでみよう」。
そう思って帰宅しようとしたところ腹部に痛みが走った。ストレスで胃に穴が開き
、炎症を起こしていた。外科医に「透析できるようにしてください」と頼み、
同じ病院で胃潰瘍の手術を受けた。翌16日、麻酔からさめると女性は既に冷たくなっていた。

今も胸を締め付けるのは、助けを求めたとみられる女性からの1通のメールだ。
夫は手術の際、自分のスマホを病院に預かってもらった。退院して電源を入れると
メールが届いていた。「とうたすかかか」。死の当日(16日)の午前7時50分の発信。
自分も病室で横たわっていた時刻だ。「とう」は「父ちゃん」の略で、夫の愛称だという。
死の間際、「父ちゃん、たすけて」と打とうとしたのではないか――。

形見になった平仮名の7文字。「あの時すぐにメールを見ていれば、助けに行って、
透析治療を受けられるようにしてあげたのに。今も生きててほしかった」【斎藤義彦】