地方移住した際の職業について、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)出身者ほど農業や林業など1次産業を希望する割合が高いことが、ふるさと回帰支援センターの調査で分かった。移住先として希望する地域でも、東京圏出身者は農山村地域を望む傾向が強かった。都市住民の田園回帰の動きは、農業の魅力が原動力になっていることを示している。
 
 2018年に地方移住の相談で東京都千代田区の同センターを訪れた人を対象に、移住を希望する地域、移住先で希望する就労形態を調査。回答を東京圏出身者(2801人)、東京圏以外の出身者(4268人)に分け、傾向を比べた。

 移住先で希望する就労形態については、全体では企業などへの就労が最も高く71・1%。次いで農業(14・2%)、新規での自営業(12・7%)だった。

 このうち農業を選んだ人について出身別で見ると、東京圏出身者は18・5%で、東京圏以外の出身者(11・6%)を約7ポイント上回った。林業、漁業いずれも同様に、東京圏出身者の方が割合が高かった。それ以外は、企業などへの就労希望が75・6%(東京圏出身者66・4%)が目立った。同センターは「東京圏出身者の方が、1次産業に従事したい志向が高い」と指摘する。

 移住を希望する地域は、全体では地方都市の市街地が74・4%で最多。農村(21・5%)、山村(13・5%)、高原(6・6%)と続いた。農村地域は東京圏24・8%、それ以外18・7%、山村地域は東京圏16・7%、それ以外10・7%。東京圏出身の移住希望者の方が、地方都市での企業就職といった“安定志向”ではなく、農山漁村で1次産業などで生計を立てたいという志向が強い。

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