アユやコイなどを捕食し漁業被害をもたらすカワウの繁殖を抑えようと、漁協関係者や研究員らが13日、小型無人機「ドローン」を使って巣の卵にドライアイスをかけてふ化を防ぐ県内初の実証実験を矢板市石関のため池で行った。2時間半で九つの巣の39個の卵に投下した。

ドローンで鳥の巣にドライアイス投入

 県によると、冬期の県内カワウ生息数は近年2千羽ほどで推移。同ため池周辺は100カ所近い巣がある県内有数の繁殖地で、約300羽が生息する。

 カワウは卵を駆除しても再度産卵するため、実験は卵を残して親鳥に産卵させない方法を試した。県鬼怒川漁業協同組合や県漁業協同組合連合会担当者ら12人が参加し、ドローンにつるした箱に粒状のドライアイスを入れ、高さ15メートルほどの巣の真上から遠隔操作でふりかけた。

 中心となってドローンを操作したのは、カワウ対策を研究する国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所の研究員坪井潤一(つぼいじゅんいち)さん(40)。風向きや枝の位置を考えながら操作し、「アユの放流時期に卵をふ化させないことが漁業被害対策の肝にもなる」と効果を説明した。

 同組合の小貫克巳(おぬきかつみ)事務局長(65)は「漁協単独で実施できる人材を育てたい」と話した。実証実験は19、26日にも同所で行う予定。

下野新聞 3/14(木) 7:01
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