16日のJRダイヤ改定で、海を渡り岡山、香川両県を直通運転する瀬戸大橋線普通列車(1日4往復)がなくなる。30年間余り運行されてきた列車で、今後は岡山から香川県中部、西部方面には坂出で乗り換えるか、別途料金が必要な特急に乗らざるを得なくなる。利用者からは利便性低下を懸念する声が上がっている。

 岡山―琴平、岡山―観音寺間の列車。瀬戸大橋線開業約半年の1988年9月から両区間で1日6往復での運行がスタート。89年に8往復に増え、2003年からは段階的に減った。現在、1本(3〜4両編成)当たりの利用客数は児島―宇多津間で40〜50人で、丸亀競艇の観戦者や通学客が目立つという。今後は岡山―児島間の運行になる。

 岡山から坂出、高松方面には快速「マリンライナー」(岡山―高松間)と特急のみで、普通列車は運行されていない。

 直通運転取りやめは、児島(倉敷市)以南を担当するJR四国の効率化推進などが理由だ。同社は営業エリアに大都市圏がなく、国鉄民営化で発足した87年から本業は赤字が続いている。人口減少の進行次第で、現在の路線網を維持できなくなる恐れがあり、「利用が多くない直通運転に車両や乗務員を充てるより、四国での営業に集中させたい」としている。

 ダイヤ改定後は、「マリンライナー」を利用しての坂出乗り換えか、「南風」や「しおかぜ」の本州四国連絡特急が代替列車となる。しかし、善通寺市での仏画教室に通うため直通普通列車を毎月利用している岡山市北区の会社員男性(49)は、「子ども連れで荷物もあるので、坂出での乗り換えは不便。復活してほしい」と訴える。

 直通普通列車が人気観光地・琴平を発着するため「岡山方面からの移動の選択肢が減る」との声や、「四国方面との結節点である岡山の拠点性に影を差さないか」といった懸念も聞かれる。
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3/15(金) 11:23
山陽新聞デジタル
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