毎日新聞 2019年3月15日 18時13分(最終更新 3月15日 19時04分)
職場の飲み会で部下の女性警察官にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた、ともに福岡県警元警部補の於保(おほ)重信被告(60)と枝尾光博被告(59)の控訴審判決が15日、福岡高裁であった。鬼沢友直裁判長は、於保被告を懲役1年4月、執行猶予3年、枝尾被告を懲役1年6月、執行猶予3年とした1審・福岡地裁判決を支持し、両被告の控訴を棄却した。

 控訴審で於保被告側は「関わっていない」、枝尾被告側は「被害者を性的対象と考えていなかった」と無罪を主張したが、鬼沢裁判長は性的意図がなくても罪が成立するとした2017年の最高裁判決を踏まえ「被告らの主観にかかわらず、社会通念上、性的な意味合いが強い行為だ」と指摘。「職場の力関係に乗じ、体力に劣る女性を2人で襲う卑劣な犯行だ」と批判した。

 控訴審判決によると、2人は15年9月18日、福岡市内の飲食店であった懇親会に参加。於保被告が女性警察官を背後から両脇をつかんで押さえつけ、枝尾被告が女性を無理やり開脚させ、腰を振るなどした。【平川昌範】

https://mainichi.jp/articles/20190315/k00/00m/040/161000c