国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウを人工飼育している国内5施設のうち、富山市ファミリーパーク(同市古沢)など4施設で15日、ライチョウの一般公開が始まった。国内では同パークを含め計29羽を飼育中。これまですべて非公開だったが、順調に生息数が増えていることと保全活動の重要性を伝えようと公開することになった。【青山郁子】
雄雌計11羽を飼育中の同パークでは飼育下で2017年に繁殖した体長約35センチ、体重約600グラムの雄2匹を公開。まだ真っ白な冬毛に覆われ、室温を約10度に設定した広さ約10平方メートルの個室で、元気に動き回っていた。
15日は、近隣の4保育所から計約110人の幼児が招待され、ガラス越しにライチョウと対面。「可愛いね」などと大喜びだった。
今後、午前9時半と午後1時半から各2時間ずつ通年展示されるが、ライチョウは環境の変化に弱いため、状況に応じて時間の短縮や拡大もあるという。石原祐司園長は「35年前の開園当初から、富山を代表する動物であるライチョウの飼育展示は目標だったので、ようやくこれまでの成果が実を結んだ。年に3回変わる羽の色を観察するなどしてライチョウの美しさを知ってもらい、富山の自然の豊かさを再認識するとともに後世に残したいと思ってほしい」と話していた。
同パークでは公開を記念し、ライチョウなどの繁殖研究を紹介した新しいパンフレット(A4判三つ折り)を5万部作成したほか、新展示「守ろう!富山の特別天然記念物」もスタート。カフェでは、ライチョウのフォルムを描いたパンケーキ(500円)も4月7日まで販売するなどライチョウ一色の春が始まる。
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