※週末政治スレ
参院選にらみ与野党激突=与党、落とせぬ戦い−野党、共闘の試金石・北海道知事選
2019年03月17日06時56分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031600434&;g=pol

 統一地方選で唯一の与野党全面対決となる北海道知事選(21日告示、4月7日投開票)。勝敗は7月の参院選に影響するとみられ、告示前から両陣営の動きは熱を帯びている。
 ◇公明後押し
 「吉川貴盛道連会長の下、ごたごたはあったが、一致団結してこの選挙を勝ち取ることになった」。札幌市で10日に催された鈴木直道前夕張市長(38)の選対事務所開き。自民党の林幹雄幹事長代理があいさつで触れたのは、難航した候補者選びだった。
 吉川氏ら道連執行部が「根回しなし」(道議)に鈴木氏の一本化で押し切ろうとしたのに対し、一部道議や地元財界人、市町村長の有志が国土交通省の官僚擁立に動いたことを指す。吉川氏はこれには触れず「知事選で勝利できるかどうかで日本の政界地図が大きく変わってくる」と檄(げき)を飛ばした。
 鈴木氏擁立の流れを決めたのは公明党だ。鈴木氏が出馬を正式表明した2月1日、公明党本部が自民党に先駆けて推薦を決定。夕張市を含む衆院北海道10区は、自公協力の象徴として2012年の衆院選以降、公明党が道内で唯一死守する小選挙区として知られる。夕張は同党の支持団体である創価学会の戸田城聖第2代会長ゆかりの地でもあり、鈴木氏もこうしたいきさつは百も承知だ。
 同10日、札幌市のホテルでの公明党時局講演会。「食べていくこと、生きていくことの大変さを高校生の時に知った」。在学中、両親の離婚で苦学を強いられたとの経験談をとうとうと語る鈴木氏に涙ぐむ支持者もいた。
 鈴木氏の演説は逆境に立ち向かう苦労話が多く、具体的な政策論に乏しい。だが、「鈴木人気」を当てにする陣営は意に介さず「北海道は広い。演説を2度聴く有権者はいない」(道選出国会議員)としたたかだ。

 ◇共産と連携
 「最重点で力を入れて戦う首長選だ。スタートは遅かったが、伸びしろは圧倒的に大きい」。立憲民主党の枝野幸男代表は3月15日、函館市で記者団に、野党統一候補の石川知裕元衆院議員(45)について、こう強調した。
 野党側の候補者選びも迷走した。衆参国会議員や地元企業経営者らの名前が浮上したが、最後に白羽の矢が立ったのが石川氏だった。
 石川氏は小沢一郎自由党代表の資金管理団体の政治資金規正法違反事件で、最高裁まで争ったものの有罪が確定。17年衆院選時は公民権停止中で、妻の香織氏が北海道11区に出馬し当選した。再起を期していた石川氏にとり、知事選は「渡りに船」。「負けてもここで名を売れば、国政や首長選の芽がまた出てくる」(陣営幹部)からだ。
 今回、立憲から共産まで主要5野党が石川氏の推薦に名を連ねた。同10日に札幌市で開かれた共産党演説会に登壇した石川氏は「まさか野党共闘の日が来るとは思わなかった。それだけ安倍政治がひどいということだ」と呼び掛け、志位和夫委員長と両手でがっちり握手した。
 野党内には「共産党と同じ壇上に立っているのを見ると応援できない」(民間労組系市議)と距離を置く声もある。しかし、陣営は懸念よりも共産党の組織票が魅力的に映る。特に大票田札幌市での期待度は高い。
 知事選の結果は、参院選に向けた野党協力を加速させるかどうかの節目となり得る。手応えを感じ始めたのか、連合北海道幹部は周囲にこう語る。「ようやく相手の背中が見えてきた」。