日本メーカーはそういった時代を先導するトレンドを自社で作れていないどころか、トレンドを取り入れることすら遅いのです」(石川氏)

では、国内市場でも苦戦してしまっている日本メーカーが、今後スマートフォン事業で巻き返していくためには、どういった戦略が必要なのだろうか。

「現状のスマートフォンが本当に使いやすいユーザーインターフェースになっているのかといえば、まだまだ改善の余地があると思います。
とくに、日本人が使いやすいようなデザインや機能についてならば、多少なりともアドバンテージがあるはず。

たとえば日本では、片手でスマートフォンを操作したいというニーズが強いため、国内メーカーは画面が小さいコンパクトサイズのスマートフォンを作ってきました。
ですからコンパクトなスマートフォンという面では、日本メーカーに一日の長があるでしょう。
このように、まずは日本人が欲しがる、日本人が使いやすいスマートフォンを作っていくことが重要となってきます。

そういう意味では、日本ではまだフィーチャーフォン(ガラケー)しか持っていないシニア世代も多くいます。
この層を狙って、シニア世代でも簡単に使えるようなスマートフォンを重点的に開発していくべきではないでしょうか。
日本メーカーがこれからのスマホ市場で生き残るためには、ここが大きなポイントになっていくと思います」(石川氏)

国内市場に甘えてきた日本メーカーは、世界市場に打って出ることも、新たなトレンドを打ち出すこともなく、後れを取ってきた。
今からいきなり世界市場を見据えて勝負に出るというのも無謀な話なのだろう。
まずはアップルやサムスン、ファーウェイなど海外製品に流れている国内ユーザーの支持を得ることで足場を固め、いつかは世界市場で巻き返しを図ってくれることに期待したい