https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190322/k10011856291000.html

北方領土の国後島でロケが行われたロシアの映画が完成し、国後島で21日夜、島民を対象に先行上映会が行われました。
ロシア政府としては島民のロシアへの帰属意識を一層高めるねらいもありそうです。

この映画は、北方領土の国後島をロケ地として2016年に撮影が行われた、「失われた島」というロシアの長編映画で、
来月からロシア全土で公開を予定しています。

21日夜は、国後島の映画館に、映画の製作者や俳優が訪れて、先行上映会が行われ、招待された国後島の島民
およそ270人が鑑賞しました。

映画は、モスクワのジャーナリストが、大自然に囲まれた島の漁村を取材するうちに、島の自然や住民のとりこになっていき、
その過程で事件に巻き込まれていくという物語で、国後島の手付かずの自然が映画の重要な構成要素となっています。

鑑賞した島民の女性は「とても気に入りました。この映画を誇りに思います」と話し、別の男性は、「この映画のおかげで、
より頻繁に人々が島を訪れるようになるだろう」と述べて、観光客の増加に期待していました。

今回、ロシア政府が、北方領土を舞台にした映画の製作や上映を容認していることの背景には、島民のロシアへの帰属意識を
一層高めるねらいもありそうです。