https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190320-00026208-forbes-bus_all
大麻から抽出されるカンナビジオール(CBD)を含むオイル製品が、新たな大麻製品の市場を開拓している。

先日のアカデミー賞授賞式で、うさぎのぬいぐるみを散りばめた衣装をまとい登場したメリッサ・マッカーシーも、
ハイヒールによる足の痛みを緩和するためステージに上がる前にCBDオイルを足にすり込んだと報じられた。

軽いこりや痛みの処置にCBD製品を使うのはマッカーシーだけではない。
今年のアカデミー賞のギフトバッグにはCBD製品が多く含まれていたし、米調査会社ブライトフィールド・グループによると、CBDの売り上げは
今後3年で220億ドル(約2兆5000億円)を超えるとされている。

その成長の多くは、健康・ウエルネス製品としてのCBDの新たな地位からもたらされるものだ。
CBDオイルは痛みや炎症を緩和し、消費者に全般的な幸福感を与える。CBDには、テトラヒドロカンナビノール(THC)のように向精神作用はない。
大麻は最近まで、医療・娯楽目的で使うものと認識されていたが、CBDのおかげで現在は第3のカテゴリー「ウエルネス」が出現している。

CBD市場が成長すれば、娯楽用のTHC製品を導入する下地ができる。大麻企業は、CBDを通して小売企業との関係構築や
消費者のブランド認識改善に取り組むことで、THCが解禁され次第自社のラインナップにTHC製品を加える準備ができる。

現在、CBDはフェースクリームやバスボム、メーキャップや多くのペット商品に使われている。
CBDには頭痛や関節痛の緩和、不安や肌の状態の改善、体のあらゆる部分のリラックスや若返りなどさまざまな効果があるとされているし、
痔(じ)や生理痛の緩和効果さえ期待できると言われている。

ウエルネス市場で特に大きいのが食品分野だ。
CBDはスーパーフードとして、蜂蜜やサラダのドレッシング、焼き菓子、スナック、飲み物などに使用されている。

CBDが大きな人気を博す中、消費者製品・メディア専門家のマーサ・スチュワートは先日、キャノピー・グロースと提携してCBDを使用した
新たなライフスタイル商品をデザイン・生産することを発表した。まずはペット用品から始め、その後人間用の商品を導入する計画だ。

医療用大麻企業のティルレイ(TIlray)も先日、オーセンティック・ブランズ・グループと大麻製品を開発・販売するため1億ドル(約110億円)の契約に合意した。
同社は、アサ(麻)由来のCBDを使った足用クリームやミント菓子などを全米の小売店やモールで販売予定だ。
また、コロナビールを製造するコンステレーション・ブランズやタバコ大手のアルトリアも、CBD市場に数十億ドル規模の投資を行っている。

■米国で産業用アサの生産が合法に
CBDへの関心がうなぎ上りとなっている背景にあるのが、2018年農業法の可決だろう。同法では産業用アサの生産が合法化された。
ティルレイが先日、3億1400万ドル(約350億円)で世界最大のヘンプ食品企業マニトバ・ハーベスト(Manitoba Harvest)を買収したことも
間違いなくこの農業法がきっかけだ。

2018年農業法では、アサ由来のCBD商品を州境を超えて輸送することを明確に認めている。これは、米連邦政府の規制物質法から
アサ由来のCBDオイルが削除された動きに続くもので、CBDオイルが全米レベルで解禁されたことを意味している。
これにより、現時点ではTHCに認められていない全米レベルでの特権がCBDに認められることになった。

しかし、状況は必ずしも円滑ではない。米食品医薬品局(FDA)はいまだに食用CBD製品の販売に対する新規則や指針を発表しておらず、
メーン州やオハイオ州、ニューヨーク市など一部の地域では、CBDを使用した食品や飲料の販売中止が強いられている。
FDAのスコット・ゴットリーブ長官は12月、FDAの承認を受けるまで食品・サプリメントの形でCBD製品を販売することは合法ではないとする発表を出した。

大麻業界は、CBDが「一般的に安全と認められる(GRAS)」物質に認定され、バニラエッセンスやカフェインなどと同様の分類になることを望んでいる。
また少なくとも数十人の議員がこの活動に加わり、FDAの承認なしでも製品を製造・販売できるよう、CBD食品に関する方針を見直するよう同局に求めた。
ゴットリーブ長官はCBDへの態度を軟化させる兆しを見せ、公式なガイドラインを作成すべく、CBDに関する最初の公聴会を4月に実施すると
米議会に対し述べた。

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