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進学や就職、転勤に伴う引っ越しがピークを迎える中、希望する日程や料金で転居ができない「引っ越し難民」問題が群馬県内で深刻化している。業界の慢性的な人手不足に加え、引っ越し料金の過大請求を理由に大手業者が受注を停止しており、ほかの業者に予約が集中。価格の高騰もあり、新生活を始める人にとっては受難の春となっている。


◎関係者「負担感 相当高まっている」

「単身なのに、見積額は十数万円。高すぎてとても無理だった」。大学進学を機に高崎市から神奈川県内に引っ越す男性(20)は業者からの高額な料金提示を受けて驚いたという。

新しい家の賃借費用や新生活の準備もあり、引っ越しに多額の費用をかけられない。家族と相談し、自らトラックを借りて引っ越し作業を終えた。「進学する友達も『予約が取れない』と嘆いていた。早くから準備していたのに、予定が変わって大変だった」と苦笑いする。

年度替わりで引っ越しが集中するこの時期は、業者にとって最大の繁忙期。ドライバーや作業員の人手不足は深刻で、各事業者は長時間労働対策にも頭を悩ませる。

単身者の引っ越しを中心に請け負う「赤帽」の県軽自動車運送協同組合(前橋市)によると、混雑が予想された今シーズンは例年よりも早い時期から予約や問い合わせが相次いだ。既に3月下旬まで予約でいっぱいだ。土日を中心に依頼を断ることもある。担当者は「ドライバーの高齢化などで作業できる人が減っている」と苦しい現状を語る。

今年は引っ越し大手のヤマトホールディングス子会社が料金を過大請求した問題で事業を停止しており、混雑に拍車を掛ける。2月には賃貸アパート大手のレオパレス21で施行不良問題が発覚、全国の入居者計1万4000人余りに転居を促す事態となっている。業界内では「負担感が相当高まっている」との声が上がる。

大手各社は対策に乗りだしている。アートコーポレーション(大阪市)は受注件数の確保に向け、採用拠点の増設、早期の採用活動などで人材拡充を図った。今年3〜4月の受注件数は既に前年同期を上回っており、同社は「希望日に転居するためにも早めに相談してほしい」と呼び掛ける。

全日本トラック協会(東京)は「引越混雑予想カレンダー」をホームページで公開。23日から4月7日は特に混雑が予想されている。県トラック協会は「ピークの時期の引っ越しを避けてもらうことも必要」と、分散引っ越しへの協力を呼び掛けている。