イザベラ・バード
「この地方の村落の汚さは、最低のどん底に到達しているという感じを受ける。
鶏や犬、馬や人間が焚火の煙で黒くなった小屋の中に一緒に住んでいる。堆肥の山からは水が流れて井戸に入っていた。
(略)彼らはあぐらをかいたり、頭を下げてしゃがみこんでいるので、野蛮人と少しも変わらないように見える。
彼らの風采や、彼らの生活習慣に慎みの欠けていることは、実にぞっとするほどである。
慎みに欠けていると言えば、私がかつて一緒に暮らしたことにある数種の野蛮人と比較すると、非常に見劣りがする。
(略)私が日本人と話をかわしたり、いろいろ多くのものを見た結果として、彼らの基本道徳の水準は非常に低いものであり、
生活は誠実でもなければ清純でもない、と判断せざるをえない。

イザベラ・バード「日本奥地紀行」