さらにやっかいなのが、この精神論が労働者にまで浸透していることだ。
論理的に考えれば、すぐに逃げ出すか労基署に駆け込むべきようなブラック
労働を強いられても、「結果が出ないのは頑張りが足りないから」という罪
悪感を植え付けられているので、石にかじりつくような勢いでブラック労働
に心身を捧げてしまう。

 こんな調子だから、いつまでたっても生産性が上がらない。仕事とはやり
甲斐だ、チームワークだ、お客様の笑顔だという「ふわっとした話」ばかり
がもてはやされているうちに、賃金は二の次、三の次にされ、気がつけば
「低賃金」がビタッと定着してしまったのである。