アメリカがトリックを使って巨額の対外負債を抱えてもデフォルトしないとの主張はひどい誤認だ。そもそもデフォルトするような水準ではない

アメリカはGDPが破格に大きいだけで、経済規模からすれば意外にもこじんまりとした純負債でしかない

アメリカの2018年度の名目GDPは2000兆円であるため、純負債が900兆円でも、GDP比では45%の対外純負債となる

https://ja.wikipedia.org/wiki/対外資産負債残高
Eurozone   2014 −12.7[8]
Italy     2016 −14.9[7]
France    2016 −15.8[7]
Mexico    2014 −33.3
United States 2016 −43.4
Australia   2014 −55.6
New Zealand 2014 −64.7
Spain     2017 −80.8[7]
Portugal   2016 −105.1[7]
Greece    2016 −136.5[7]
Ireland    2016 −185.3[7]
Iceland    2014 −398.2[9]

外国政府による国債の購入やFDI(Foreign Direct Investment)が増えれば対外純負債が増えるというだけの話にも見えるが、そう単純ではない

フランスは対GDP比で16%の純負債、オーストラリアは対GDP比で56%の純負債、ニュージーランドは65%の純負債、ギリシャは137%の純負債となる

対GDP比の純負債が100%を超えると危険水域になるようにも見えるが、FDIや債権の質も関係してくるだろう

https://en.wikipedia.org/wiki/National_debt_of_the_United_States

米国債の国外からの保有額650兆円の残高の内では中国・日本が保有する残高は230兆円となるが所々の事情で安定的な保有と言える
それを引くと670兆円程度の負債であるため、33%程度になると言っても良い

さらに米国に投資したFDIは米国の市場に輸出するための工場や拠点なども含まれるため、短期投機筋は少数派であることを考えると
アメリカの対外債務は健全・優良に分類できる