仏訳してパリ市民に読んで貰ったら良い

坂口安吾 日本文化私観
https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42625_21289.html

>すべては、実質の問題だ。
>美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。
>要するに、空虚なのだ。

>そうして、空虚なものは、その真実のものによって人を打つことは決してなく、
>詮ずるところ、有っても無くても構わない代物である。

>法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。
>必要ならば、法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい。
>我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。

>武蔵野の静かな落日はなくなったが累々たるバラックの屋根に夕陽が落ち、
>埃のために晴れた日も曇り、月夜の景観に代ってネオン・サインが光っている。
>ここに我々の実際の生活が魂を下している限り、これが美しくなくて、何であろうか。