>>961の続き
 栗田氏がスピード出世した時期は、ちょうどフランチャイズ組織が急拡大。
加盟店主との訴訟や脱退騒動が立て続けに起きた時期だった。
つまり、栗田氏はフランチャイズオーナーの反乱潰しと、本部に絶対服従させる
「最強の組織と規律づくり」のために、鈴木氏に抜擢されたのである。

 実際、この栗田氏が社内で存在感を増していくのと軌を一にして、同社は店舗の監視役に自衛隊出身者を大量投入していく。
同書にはセブンオーナーのこんな証言が載っている。

「自衛隊出身のDM(ディストリクト・マネジャー=地域指導員)などが急に多くなりました。
私のところにも、防衛大学を出て戦車中隊長をやっていたというのが転職してきましたよ。
30歳過ぎでいきなりOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー=店舗経営相談員)を飛び越えてDMになっていました」
「セブン本部には『オーナー相談部』ってあるんですが、そこの相談員に自衛隊出身者がいると聞きましたね。
相談部は、オーナーたちの不満を聞いて共存共栄に役立てようという建前ですが、
実態は不満分子をキャッチして、上に報告(して潰す)するのが本当の狙いなんですよ。
そこで『オレは自衛隊出身で階級はどれくらいだった』と自慢するらしいですよ。
インテリジェンスのプロが集められているんでしょうね」

 自衛隊出身者を投入しただけではない。栗田氏は社内の組織を自衛隊式に変えた。
セブンには、加盟店を管理する役として、OFC、DM、そしてZM(ゾーン・マネジャー=地方総責任者・取締役候補)
という役職があるのだが、さらにその上に、"ディビジョン"(Division)という指令部門を作る構想があったという。