日本初の55階大型マンションの修繕費はどの程度?
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そんな中、日本ではじめての55階建てのタワーマンションである埼玉県川口市のエルザタワー55で2015年から2017年にかけて、最初の大規模修繕が行われました。
55階のタワーマンションの大規模修繕は一体どれほどの費用はかかるのでしょうか。

■日本で初めて建てられた高さ185メートル、55階建てのマンション
エルザタワー55は1998年に建てられた、日本で初めての高さ150 m を超えるマンションです。
京浜東北線の川口駅から約10分ほどの場所に建っており、その高さはなんと185 m。
55階建てで、屋上にはヘリポートも設置されています。
戸数は約650戸になっており、その中には数千人の人が住んでいます。

まだ日本でタワーマンションが建てられるようになってから20年弱しか経過しておらず、2000年代初頭に建てられたタワーマンションでも、
ようやくこれから大規模修繕を検討するという段階のマンションが多くなっています。
そこで、実際に大規模修繕でどれくらいの費用と期間がかかるのかというところは、不動産業界では非常に注目を集めていたのです。

■総工費は約12億円で一戸あたりの負担は約200万円
2015年にエルザタワー55の大規模修繕がスタートした時、その工事費用は12億円と発表されました。
この12億円という金額をエルザタワー55の戸数である650で割ると、一戸当たりの負担は約200万円になります。
建てられてから17年が経過したことを考えると、毎月約1万円程度の修繕費が必要となっていたと考えられます。
これほどの大規模マンションとしては、それほど大きな金額の修繕費ではないと言う印象を持つ人も多いのではないでしょうか。

また、当然50階以上の高層階はそれぞれの物件も広く、設備も充実しているのでそういった階ほど積立修繕金の負担は高くなっています。
逆に考えれば、低層階や中層階に住む人の修繕費の負担は毎月1万円よりもさらに低かったと考えられます。
エルザタワー55の階別の構成を見ると、低層階・中層階の住居はそれほど面積が広くなく1階あたり10以上の部屋があり、戸数を多く取ることを重視して作られたように見えます。
戸数が多かっただけに積立修繕費の負担もそれぞれの世帯に分散させることができたとも言えます。

逆に今都心に建てられているタワーマンションは戸数が少なく、それぞれの部屋の面積を多く取っているものが多くなっています。
そのようなマンションでは、積立修繕費の負担はこれ以上の金額になるものと想像できます。

中略
■二度目の大規模修繕は増額となる
今回のエルザタワー55の大規模修繕は、外部の人間が想像していたよりも比較的低額での修繕に終わりました。
しかし初めての大規模修繕というものは、他のマンションにおいても比較的費用はかからないものです。
本当に大規模修繕の金額が跳ね上がってくるのは、築25年や30年を経過した時の、二度目の大規模修繕になってくるともよく言われます。
修繕金額が跳ね上がる理由としては、エレベーターの交換が必要になってくるからです。
エレベーターの一般的な耐用年数は約30年と言われており、2回目の大規模修繕でエレベーターを交換するというマンションも多いのです。
そしてエレベーターの交換費用は、50階を超えるようなマンションであれば1基あたり1億を超えてきてもおかしくありません。
初回の修繕が12億円ですんだエルザタワー55でも、2度目の大規模修繕の際には費用が大きく増加となることが考えられます。