東京都品川区の介護施設「サニーライフ北品川」で暴行を受けて死亡した入所者の黒沢喜八郎さん=当時(82)=は、飲食店の経営に精を出すかたわら地域活動に熱心に取り組み、地元の祭りの運営にも積極的に関わっていた。「施設に入れてごめんね。品川神社のお祭り、行きたかったよね」。同居していた次女(52)は、施設に入所させたことを今も悔やむ。

 群馬県出身の黒沢さんは、20代のころから夫婦で飲食店を切り盛りしてきた。店は繁盛し、自社ビルを建設するほどに。「俺はツイてる男なんだ」が口ぐせだった。子供たちの前では「にぎやかな父親」で、一緒に風呂に入ると好きだった民謡を歌い、合いの手を入れさせたという。

 自宅近くにある品川神社の祭りの役員を長年務め、地域でも慕われていた。50歳で脳梗塞を患い、体が不自由になったが、リハビリを重ねて祭りの山車で太鼓をたたくまで回復した。しかし、約10年前から認知症の症状が出始め、歩行中に転倒することも増えてきた。2人暮らしだった次女が病気になったこともあり、今年3月にサニーライフ北品川に入所した。

 黒沢さんは当初、入所を渋っていたが、次女が「品川神社の裏だよ」と伝えると、「6月の例大祭は行かせてほしい」と答えたという。次女は「必ず連れて行くよ」と約束していた。

 病院に搬送された4月4日の昼、黒沢さんはベッドの上で一時的に目を覚まし、次女に「若い男に蹴られて、やられた」と告げた。認知症の症状が進んだ近年では珍しく、はっきりとした口調だったという。

 根本智紀容疑者が逮捕された22日、産経新聞などの取材に応じた次女は「ほっとした」としつつも、「父はどれだけ無念だったか。介護現場で父のような高齢者がこれ以上犠牲にならないようにしてもらいたい」と怒りをあらわにした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190522-00000530-san-soci
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