0001ごまカンパチ ★
2019/07/01(月) 22:27:31.00ID:f2dnPVjp9中国人学者らによる米国への査証(ビザ)申請が、中国政府の諜報(ちょうほう)活動との関連を懸念し監視を強化する米当局によって、
却下される事例が増加している。こうした事態が、長年の米中の共同研究に暗い影を落としていると、研究者らが警鐘を鳴らしている。
学術論文データベースのネイチャー・インデックス(Nature Index)が昨年実施した調査によると、米中の科学者は何千という研究論文を毎年、
共同執筆している。2か国の科学者らによる共同論文としては、他に追随を許さない数だ。
だが何人かの研究者がAFPに語ったところによると、米国側の機関は海外からの研究資金受け入れに関する規則を厳格化し、
また外国の研究パートナーに対する審査を強化しており、このため共同プロジェクトの実施や相互評価のためのデータ共有が困難になってきている。
こうした圧力は、米政府が学術的な接触を通じた諜報活動・技術窃盗と称するものに対し、締め付けを強めている結果だ。
ホワイトハウスは昨年、米国で研究や仕事に従事する中国人は「中国政府の軍事的・戦略的野望に奉仕する」よう操られたり
強制されたりする恐れがあると警告を発した。
■貿易戦争から技術戦争、そして才能争奪戦
例えば、スーパーコンピューターから核兵器に至るまであらゆる先端研究を実施している米エネルギー省は対策の一つとして、
国家安全保障と競争関係を理由に、外国政府による人材募集プログラムに米国の科学者が参加することを禁じた。
AFPが確認した同省の通達は特定の国を名指しこそしていないものの、当局者らは中国政府が実施している海外ハイレベル人材招致計画、
通称「千人計画(Thousand Talents Programme)」のことだと指摘している。
学者や専門家らは、こうした不信の高まりが共同研究に影響を及ぼすのは必至だと発言している。
米ペンシルベニア州立大学(Pennsylvania State University)のある関係者は匿名を条件に、安全保障上の理由だとしてプロジェクト参加を拒否される
若い中国人学者が増えていると語った。
中国・浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)に海外キャンパスを構える英ノッティンガム大学(University of Nottingham)イノベーション学教授の
カオ・コン(Cao Cong)氏は
「米中貿易戦争は転じて技術戦争となっており、これは本質的に才能争奪戦であるため、米中間の共同研究は深刻なダメージを受けるだろう」と警告する。
同氏によれば中国政府は近年、米国との科学技術の差を埋めるために巨額を費やしてきた。
だが中国は今なお技術移転や教育の面で米国に大きく依存しており、その「打ち切り」は今後数年間で影響が現われるだろうと指摘する。
■ビザ発給の遅れや拒否
米当局によるビザ発給拒否が増加していることから、中国教育省は、中国人学生・学者の学習・研究計画がそうした拒否や遅れなどで
挫折する恐れがあると警告している。
同教育省によると、今年1月から3月の間に学術・研究目的で米国へのビザ申請を行った中国人の8人に1人が、ビザの確保に支障を来しており、
昨年より著しく増加している。
量子物理学の花形研究者である潘建偉(パン・ジエンウェイ、Pan Jianwei)氏は、今年2月に開催された米国科学振興協会(AAAS)の総会で
誉れ高いニューカム・クリーブランド賞(Newcomb Cleveland Prize)を受賞する予定だったが、ビザ発給の遅れで出席できなかった。
同氏はAFPに「4か月待った後、ビザを受け取ったのは3月だった」と語った。
ようやくビザが届いたときには、授賞式はとっくに終わっていた。
米国務省のある当局者は、プライバシー保護法に抵触するので個別のビザの事例について話すことはできないと答えた。
同省ではビザ審査の強化について、米国滞在中に外国情報機関に取り込まれる留学生が増えている事態への対応だとしている。
また米情報当局のある関係者は昨年12月、中国の「千人計画」によって、米国の技術と知的財産の窃盗が容易になったと発言した。
両国関係の冷え込みによって、中国政府による自国および外国のトップ人材を獲得する取り組みは困難になりつつある。