>>813
「犬の殺処分は5年連続、猫は4年連続ゼロを達成しました」−。県動物保護センター(
平塚市)に収容された犬猫の実績値を発表した4月末の記者会見で、「殺処分ゼロ」とい
う成果に胸を張った黒岩祐治知事。動物愛護の意識向上を図る中で、その発表方法が県民
をミスリードしかねないとして、県内各地の動物愛護(保護)センターや保健所などの一
部の関係者から懸念の声が上がっている。(外崎晃彦)

 県が発表する犬猫収容数や殺処分などの数値は、横浜、川崎、横須賀の3市の実績を含
まない。3市が独自に動物愛護センターを持つためだ。さらに相模原、藤沢、茅ケ崎市な
ども数値に含めず、外数として公表している。

 ◆横浜など含まず

 横浜、川崎、横須賀の3市は、面積比で県内の約3割、人口比では県内の6割超を占め
る。その3市を含めた県全体の実績値は「殺処分ゼロ」にはほど遠い。

 公表されている集計時期にズレがあるため単純比較や合算はできないが、年間の殺処分
件数は、横浜市が犬36件、猫404件(平成28年度)。川崎市が犬0件、猫4件(同
)。横須賀市が犬1件、猫37件(27年度)。県全体のおおよその年間殺処分件数は犬
が30〜40件、猫は400件を超えているのが実態だ。