6歳児がロンドンの美術館の「10階から投げられ」 17歳を逮捕
2019年08月5日
ロンドンの現代美術館テート・モダンで4日午後2時45分(日本時間午後10時45分)ごろ、6歳の男の子が10階から放り投げられ、5階の屋根に落下した。
男の子はヘリコプターで病院に運ばれた。重体だが、容体は安定しているという。ロンドン警視庁の報道官は、男の子は「命に危険のある状態は脱した」と説明している。
また、ロンドン警視庁は17歳の少年を殺人未遂の疑いで逮捕した。警察によると、男の子は10階にある展望台から投げられたという。
現場に居合わせたBBCのジョニー・ダイモンド編集委員によると、テート・モダンの訪問者は一時、美術館内に足止めされた。
警察の報道官は、「容疑者が被害者を知っていたと示すことは何もない」と話した。
容疑者の少年は、男の子が落下した後も現場に残っていたという。
「息子はどこ?」
目撃者のナンシー・バーンフィールドさん(47)は、友人や子どもたちと共に10階にいたが、友人の1人が「何かがぶつかる大きな音」を聞いたという。
バーンフィールドさんが振り返ると、女性が「息子はどこ? 息子はどこ?」と叫んでいた。そしてすぐに、周囲にいた人たちが近くにいた男を捕まえたという。
「それまでその女性には気づかなかった。彼女が急に取り乱して、初めて気づいた」とバーンフィールドさんは話す。
男は警察が来る前に取り押さえられていたが、「とても静かにそこに立っていた」という。
別の目撃者のスチュワート・ハッガスさんは、救急隊員がテート・モダンのタービンホールの屋根を行き来しているのを見たと話した。
「誰かが乗った担架を運んでいて、別の担架がもう1台、とびらのところに待機していた」
BBCのダイモンド編集委員は、美術館の訪問者は「タービンホールへ誘導されたが、すべての出口は封鎖されたいた」と説明した。
「子供連れの家族がたくさんいた。警備員は、美術館から出てはいけないと言っていた」
「少なくとも2台の消防車と警察車両10台、それから現場指揮ユニットが来ていた。建物の外装の一部にはテープが貼られた」
テート・モダンは2000年、テムズ川沿いの古い発電所を使って解説された現代美術館。主要観光地協会によると、2018年には590万人が訪れ、イギリスで最も観光客の多い場所となった。
(英語記事 Boy, six, 'thrown from 10th floor' of Tate Modern)
現場で被害者の手当をする救急隊員
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/C7FE/production/_108189115_tate.jpg