パキスタン、カシミール問題で国際司法裁に提訴へ 「法的側面を熟考した結果」と
2019/08/21
パキスタンは20日、隣国インドと長年にわたり領有権を争ってきたカシミール地方の問題について、国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)に提訴する考えを明らかにした。
パキスタンのシャー・マフムード・クレシ外相はこの日、ARYニュース・テレビに対し、「我々は、カシミール問題について、ICJへ提訴することを決めた」と述べた。
「すべての法的側面を検討した上での決断だ」
クレシ外相は、カシミールにおけるインドによる人権侵害の疑いが、主な争点になるだろうと説明した。カシミール地方ではイスラム教徒が多数を占める。インド側は人権侵害について否定している。
各国の対応
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、インドのナレンドラ・モディ首相との電話会談で、カシミール問題は、インドとパキスタンが対話で解決すべきだと伝えた。
仏政府高官は20日、エマニュエル・マクロン大統領は22日にパリでモディ首相と会談する際、カシミール問題について話し合う考えだと明かした。
インド・パキスタンの緊張
カシミールをめぐっては、インドが5日、同国が実効支配するジャンムー・カシミール州に70年間にわたって認めてきた自治権を剥奪した。
この決定を受け、パキスタンは7日、インドとの外交関係の格下げを発表。二国間貿易の停止や交通の停止に加え、インドの駐パキスタン大使を追放した。
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停戦ライン(Line of Control)で分断されたカシミール。北部がパキスタンの実効支配地域(PAKISTAN-ADMINISTERED KASHMIR)、南部がインドの実効支配地域(INDIAN-ADMINISTERED KASHMIR)、中国が実効支配するアクサイチン(Aksai Chin)、斜線部分はパキスタンから中国へ割譲された地域
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/171F2/production/_105660749_kashmir_map624.png