重度の知的障害があった男性が、施設の外に出て死亡した事故を巡る裁判で、19日、施設側が、損害賠償を支払うことで和解が成立しました。

 この事故は、2013年3月、愛知県安城市の障害者施設に入所していた重度の知的障害がある鶴田早亨さん(当時28)が、施錠されているはずの扉から外へ出て、スーパーでドーナツを口に詰め込み窒息死したものです。

 施設側は、遺族に対し、1800万円の損害賠償の支払いを申し出ましたが、遺族側は、「賠償額が、健常者の4分の1程度で不平等だ」として、およそ7250万円の支払いを求め提訴しました。

 一審の名古屋地裁は、「施設側に過失はなく、損害賠償は請求できない」として、遺族側の訴えを棄却。
 遺族側は判決を不服として、名古屋高裁に控訴しましたが、19日、会見を開き、施設側が損害賠償を支払うことで和解したと発表しました。

 「いろんな人に助けてもらって得られた結果だと思いますので、早亨も喜んでくれていると思います」(死亡した鶴田早亨さんの兄・明日香さん(39))

 金額については明らかにしていませんが、当初示された1800万円を上回ったとみられます。

 遺族側は、「健常者には届かないが、一定の金額は認められ命の平等の実現に一歩近づいた」とコメントしています。(20日07:05)

ページ最終更新 2019/8/20 10:23

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