タピオカ入りドリンクの流行に伴い、プラスチック容器の「ポイ捨て」が若者の街・渋谷区で急増している。関係者の悩みの種となる中、NPO法人「グリーンバード」(東京都渋谷区)が先月、区内にポイ捨て防止の啓発も兼ねた高さ1・4メートルの専用の回収箱を設置。対策に乗り出している。

NPO法人が設置したタピオカ入りドリンク容器の回収箱。脇には、飲み残しを捨てるざるとバケツもある(4日、渋谷区で)NPO法人が設置したタピオカ入りドリンク容器の回収箱。脇には、飲み残しを捨てるざるとバケツもある(4日、渋谷区で)
 
「容器が大きいので、ゴミ箱の投入口を塞ぐことがある。飲み残しも目立ち、路上のポイ捨ても多い」。表参道周辺の約600店でつくる「原宿表参道欅けやき会」の担当者はこう指摘する。

同会などによると、表参道沿い(約1キロ)に設置するゴミ箱計13か所に大量の容器が捨てられており、夜間や週末には容器がゴミ箱の投入口を塞ぐ。ゴミ箱周辺にも容器が捨てられ、路上や街路樹脇などにも放置される事態になっている。

タピオカは、南米原産のキャッサバ芋から取れるでんぷんを加工した粒状の塊。カラメル色素やシロップで着色、味付けされ、ミルクティーなどに入れて太いストローで楽しむ。インスタグラムにドリンクの写真を投稿する若者らの間で人気が高まる一方、容器の捨て方が問題化していた。

こうした中、ゴミ拾い活動などに取り組む同法人は先月、東京メトロ・明治神宮前駅近くのコミュニティースペース「subaCO」にタピオカ入りドリンク専用の容器の回収箱を設置。ざるとバケツが付いており、飲み残しを捨てられる仕組みで、回収した容器とストローはリサイクルされる。

同法人代表、福田圭祐さん(29)によるとドリンクの写真だけを撮り、約8割を飲み残す人もいるという。福田さんは「容器はゴミ箱や回収箱に捨ててほしい。リサイクルの大切さも知って」と呼びかけている。

回収箱の設置は12月26日までで、利用者は火曜を除く午後1時から同6時まで容器を捨てることができる。これまで週約100個のペースで容器を回収しており、同法人は今後、ドリンクの販売店にも回収箱の設置を呼びかける方針。

2019/09/17 23:40 読売新聞
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