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住宅内に大量のカビ 住民に不安
09月21日 18時37分

台風15号で多くの住宅に被害が出た千葉県館山市の沿岸部では、復旧が進まない中、雨漏りした住宅内に大量のカビが生える被害も出ていて、住民は台風17号の接近で状況がさらに悪化するのではないかと不安を抱えています。

館山市沿岸部の船形地区では、住宅の屋根が壊れるだけでなく窓が割れたり壁に穴が開いたりする被害が相次ぎ、ブルーシートで覆うなどの応急的な処置が今も済んでいない住宅があります。
このうち、1人暮らしをしている小林信夫さん(73)の住宅は、屋根や窓が飛ばされて2階が吹きさらしの状態で、掛け時計は被害を受けた当時の午前2時半ごろを指したままです。

小林さんは2階の床や廊下にブルーシートを張ったうえで1階で暮らしていますが、雨が降ると雨水が寝室や廊下に大量に流れ込んでくるということです。
このため被害の数日後には室内にカビが生え始め、今では緑や白のカビが1階の天井一面を覆い尽くしています。

寝室が使えなくなったため、小林さんは現在、居間に並べたいすの上に布団を敷いて寝ていますが、日増しに強くなるカビ特有の臭いに加え雨漏りの音もあって眠れなくなり、今では睡眠導入剤が手放せないということです。
5キロほど離れた場所には避難所もありますが、壊れた自宅に盗みに入られるのではないかと不安で離れられないといいます。
こうした状況で台風17号が接近していることについて、小林さんは「不安な気持ちでいっぱいで、頭がおかしくなりそうです。もう家は取り壊さざるを得ないと思っていますが、引っ越し先も見つからず、本当につらいです」と話していました。