(CNN) 炉心溶融事故を1979年に起こした米ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所の運営企業は同原発が20日に正式に閉鎖されたと発表した。

同企業「エクセロン・ジェネレーション」の報道担当者がCNNに確認した。同社は今年5月、温室効果ガスを排出しない電源としての優遇措置の供与に州政府が消極的だなどして同原発を9月30日までに正式閉鎖すると発表。

2017年5月には原発は5年間採算が取れていないとし、州政府の政策に変更がない場合、閉鎖するとの方針も示していた。

原発では今後数十年間、除染の完全達成を目指す作業が続く見通し。必要な経費は約12億ドル(約1296億円)と想定されている。全ての放射性物質の除去は2078年までかかるとも推定している。

同社の報道発表文によると、関連の原発従業員は社内の別の部門に配属する計画。原発の雇用者総数は17年時点で675人。正式閉鎖による影響を受けるのは約112人とみられる。

スリーマイル島原発事故は米国の原子力産業史の中で最悪の惨事とされる。部分的な炉心融解事故は2つある原子炉の1基で発生。放射性物質を含む汚染水の漏出が原因で従業員や近隣住民に健康障害が生じた形跡はなかったものの、事故を受け連邦政府は原発管理の規制を強化。

事故後の1980、90両年代に米国内での原発建設が減速する契機にもなったとされる。

https://www.cnn.co.jp/storage/2019/09/21/47ec10592cbe4536e50c4261af56ad2b/t/768/432/d/three-mile-island-0326-super-169.jpg
https://www.cnn.co.jp/usa/35142948.html