18歳未満の実の娘と性交したとして、監護者性交等の罪などに問われた、とび職の男の判決公判が1日、岐阜地裁であった。

 菅原暁裁判長は「心身に受けた被害の大きさは計り知れず、犯情は相当に重い」として、懲役9年(求刑懲役12年)の判決を言い渡した。

判決によると、男は娘の生計を支え、監護する立場にありながら、2016年7月と17年7月、19年2月に、自宅内および自動車内で娘と性交し、その様子を携帯電話で動画撮影するなどした。


男の性的な行為は、遅くとも娘が中学生のころから常習的に繰り返された。

娘が拒否すると「家族にばらす」「金銭的な援助を打ち切る」などと脅し、行為を続けた。
娘は高校2年の時に妊娠。中絶後も男の行為は続いたという。

男は被告人質問の中で、行為を繰り返した理由について「(行為をやめてしまうと)娘を失う寂しさや、自分勝手だが独占欲があった」などと話した。

判決後、菅原裁判長は男に対し「服役を終え社会復帰しても、被害者の負った傷は癒えない。そのことをよく考えてほしい」と話した。

「監護者性交等罪」と「監護者わいせつ罪」は、17年にあった刑法改正による性犯罪の厳罰化に伴い、新設。
親など生活を支える者がその影響力を利用し、18歳未満の子どもにわいせつ行為などをした場合、暴行や脅迫がなくても、処罰できるようになった。

岐阜地裁では、今年度に入り少なくとも3件の監護者性交等罪および同未遂罪の判決があり、
いずれも求刑通りか求刑に近い実刑判決が言い渡されている。(松沢拓樹)

2019年10月1日 16時18分
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