0001しじみ ★
2019/10/05(土) 17:00:34.98ID:IRL38NF/9【2019年10月4日 NASA/カーネギー研究所】
NASAの系外惑星探査衛星「TESS」が、とびうお座の方向約3億7500万光年の距離にある銀河「2MASX J07001137-6602251」で起こった増光現象をとらえた。この銀河の中心にある、太陽質量の約600万倍という超大質量ブラックホールに恒星が引き寄せられ、ばらばらに破壊された「潮汐破壊現象(tidal disruption event; TLE)」を検出したと考えられている。TESSがTLEを観測したのはこれが初めてだ。
今回の増光現象は、まず米・オハイオ州立大学が運営する遠隔操作望遠鏡ネットワーク「ASAS-SN(全天自動超新星サーベイ)」で1月29日に検出され、「ASASSN-19bt」と名付けられた。ASAS-SNは世界20か国に設置されているリモート望遠鏡のネットワークで、超新星など様々な突発現象をいち早くとらえることを目的としている。米・カーネギー研究所のThomas Holoienさんは、チリ・ラスカンパナス天文台で観測を行っていたときにASAS-SNからの速報を受け取り、すぐに同天文台の2基の望遠鏡をASASSN-19btに向けた。同時に、NASAのガンマ線バースト観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」やヨーロッパ宇宙機関のX線天文衛星「XMMニュートン」等に追観測を要請した。
幸いなことに、ASASSN-19btはTESSの「継続観測領域」と呼ばれるエリアで起こっていた。TESSは全天を26個の「セクター」と呼ばれる領域に分けて、一つのセクターを約27日間にわたって観測する。2018年7月から観測が始まり、約2年で全天を一巡する計画だ。長い時間をかけて大量の恒星の明るさを監視し、恒星の手前を未知の惑星が横切ることでわずかに減光される「トランジット」現象を見つけるのがTESSの目的だ。
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TESSのセクターは黄道の極から黄道近くまでをカバーする短冊状のエリアになっていて、27日ごとに隣のセクターに視野を向けて観測するが、黄道北極と黄道南極の付近はセクターが重なるので常時観測されている。これが「継続観測領域」だ。今回のASASSN-19btは黄道南極に近いとびうお座で起こったため、南の継続観測領域に入っていた。そこでTESSの過去の観測データを確認すると、ASAS-SNの検出より1週間以上も早い1月21日からASASSN-19btの増光がとらえられていた。もし継続観測領域の外で起こっていたら、増光の始まりを見逃したかもしれない。
「TESSのデータによって、今回のTLEがまさに明るくなり始めた瞬間を見ることができました。TLEをこれほど早い段階で観測できたことは今までありません。ASAS-SNの地上観測で今回の現象を素早く同定できたため、最初の数日間で多波長の追観測を行えました。この初期段階のデータはTLEの物理過程をモデル化するのに非常に役立つでしょう」(Holoienさん)。
「TESSで得られる早い段階の観測データによって、これまでよりもずっとブラックホールに近い場所の光を見ることができました。TESSのデータから、ASSASN-19btの増光が非常に滑らかであったこともわかります。このことは、この現象が銀河中心で起こる別のタイプのバーストや超新星ではなく、TLEであることを示しています」(オハイオ州立大学 Patrick Vallelyさん)。
Holoienさんたちはニール・ゲーレルス・スウィフトで観測された紫外線のデータから、ASASSN-19btでは数日間で温度が摂氏約4万度から2万度まで下がったことも突き止めた。TLEで、こうした早い段階での温度低下が起こるというのはいくつかのモデルで予測されていたが、実際に見えたのは今回が初めてだ。
http://www.astroarts.co.jp/article/assets/2019/10/18453_area.jpg
TESS Catches its First Star-destroying Black Hole
https://youtu.be/85tdoDt1Qh0
続きはソースで
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10863_asassn19bt