第019回国会 厚生委員会 第19号
昭和二十九年十一月二十五日(木曜日)
   午後一時三十五分開会

説明員 警察庁長官(斎藤昇君) 
警察のほうといたしましても、只今仰せのような噂を聞きますので、
実際そういうことが確かであるかどうかということを、絶えず取締り
の際に念頭におきながら、やつておるわけでございます。


いわゆる民族的な謀略のためにヒロポンを拡めているのではないか


、或いはヒロポンによつた資金を或る種の運動資金に充てるために
やつておるのではないかという、この二点は、警察におきましても
相当関心を持つて見ております。併しながら只今のところ、捜索を
いたしましたいろいろな資料とか或いはその他から考えまして、
そういうことを裏付けるようなものはまだ出ておりません。

只今我々見ておりまするところでは、まあやはり金儲けということが
主ではなかろうか。併しその金儲けで得たその金を、場合によつたら
或る種の目的のために使われているということもありはしないだろうか
、こう思つております。

併しこのほうもまだ確たる証拠は持つておりません。

ただ朝鮮人の人たちはヒロポンは造りますが、併し自分たちは殆んど
これをやらないというのも、これは事実でございます。

恐らくヒロポンの弊害というものを十分知りながら、金儲けのために
やつておる。従つてその弊害をよく知つておりますために、お互いに
これは自分たちでやつたらいかんぞということは、相当徹底をさせて
おるように見えるのであります。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/019/0790/01911250790019a.html