屏風に湖の魚89種類、江戸時代に彦根藩士が描く 滋賀で展示

 人と湖魚との関係や歴史を紹介する企画展「人と魚の歴史学」が滋賀県野洲市辻町の銅鐸博物館で開かれている。湖魚を描いた江戸時代中期〜後期の図絵や漁に関する文献など計76点が並び、企画担当者は「湖魚と滋賀の文化との深い歴史を感じてほしい」と話す。

 県内で初公開となる屏風(びょうぶ)「湖魚奇観(きかん)」(江戸後期)は彦根藩士藤居重啓の制作。縦1・7メートル、横3・8メートルの屏風2帖に琵琶湖や余呉湖に生息する魚など89種類を繊細なスケッチと解説文で紹介する。季節や状態によって8種類のフナが描かれるなど、当時の人々が湖魚をどう捉えていたかがうかがえる。
 兵主大社や御上神社が旧野洲川で特権的に行っていた簗(やな)漁で捕れた魚を宮中に献上したことを記録する幕末の文献もあり、寺院が湖魚によって朝廷との関係を築いていたことが分かる。
 11月24日まで。月曜休館(同4日は開館、5日休館)。要入館料(野洲市民は無料)。
 10月19、26日、11月23日は午後2時から琵琶湖博物館学芸員らによる記念講演がある。


滋賀県内で初公開の屏風「湖魚奇観」などが並ぶ企画展(野洲市辻町・銅鐸博物館)
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2019年10月16日 15:16  京都新聞