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800年以上前の金代の墓に貴重な壁画発見、中国河北省
2019年11月10日 20:48 
発信地:中国 [ 中国 中国・台湾 ]


【11月10日 Xinhua News】中国河北省(Hebei)邢台市(Xingtai)邢台県の文化財保護部門はこのほど、同県竜泉寺郷(Longquansi)柳林村(Liulin)で金代の墓葬を発見したと明らかにした。墓葬は天然ガスの配管工事中に見つかり、邢台市や邢台県の文化財保護スタッフが緊急発掘調査を行った。調査の結果、同墓は金の大定29(1189)年に埋葬され、今から830年前のものであることが確認された。

 墓葬は円形アーチ型で、壁にはレンガ彫刻の壁画が施されていた。東西の長さは1.7メートル、南北の幅は1.9メ―トルで、棺床(かんしょう、ひつぎを置く台)から天井までの高さは1.9メートル。ほぼ南北方向に作られており、墓道の長さは50センチで墓室の南側に開かれていた。内部の人骨はすでに荒されており、頭蓋骨から判断して一夫二妻の合葬墓であることが分かった。墓からは口径10.5センチ、高さ3.6センチの白磁の茶わんも見つかった。円形の壁には、古代中国で親孝行だったとされる24人の物語「二十四孝」の一部が描かれれており「大定廿九年九月二十八日記之」の文字も記されていた。


 同県文物保管所の華朋会(Hua Penghui)所長は、被葬者は地元の名士か地主だと説明した。また、このような形状、特に「二十四孝」を題材としたレンガ彫刻壁画を持つ墓は河北省南部では比較的珍しいと指摘。同省南部地域の金代墓葬の埋葬方式や葬儀風習、さらには当時の社会風習を研究する上で重要な実物資料となると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News