座間市のアパートで平成29年、男女9人が殺害された事件で、強盗強制性交殺人罪などで起訴された白石隆浩被告(29)が接見に応じ、自分の人生について「後悔しています。もっとうまい物を食って、女の子と遊び、ゲームもしたかった」と語った。事件発覚から2年が経過したが、被害者への謝罪や反省の言葉はなかった。

 ◆悔しそうな表情さえ
 9月下旬、東京都立川市の立川拘置所の面会室。黒いTシャツにスエット姿で現れ、約30分間の接見に応じた。口ひげを生やし、髪は胸まで伸びていた。

 事件について「逮捕された瞬間を思い出します。(警察が)来ちゃったとショックでした」と振り返った。捕まると思わなかったといい、「あれがいけなかったのかな、これがいけなかったのかなって」と悔しそうな表情さえ見せた。
 警視庁への供述では、金品や乱暴目的で9人を殺害したと認めている。接見で詳細について質問すると、「そこからは有料になります」と現金を要求してきた。
 接見した報道各社に対し、食品などを買うため同様の条件を提示しており、「サポートしていただける社の方にお話ししています」と続けた。この取材で金品は提供していない。

 ◆初公判見通し立たず
 29年10月に逮捕。刑事責任能力を調べる鑑定留置を経て昨年9月に起訴された後は警視庁の留置場から立川拘置所に移された。漫画を読んだり腕立て伏せなどの筋力トレーニングをしたりして過ごしているという。
 「毎日飯を食って体を鍛えて眠って、飯を食って…。新しい情報が入ってこないと過去をぐるぐる回っている感じになる」
 自分の人生は「大失敗。本音で言えば後悔しています」という。理由に食事や女性との交際、ゲームができないことを挙げた。
 東京地裁立川支部は検察、弁護側と協議して争点を絞り込む公判前整理手続きを進めている。年度内は手続きが続くとみられ、初公判の見通しは立っていない。
2019.11.13 07:00
https://www.sankei.com/region/news/191113/rgn1911130001-n1.html